里親制度って何?

生活

同棲しているパートナーに誘われて、市が開催している里親制度についての説明会に参加しました。

里親とは、家庭で暮らせない子どもたちの健やかな成長のための制度です。

今回は、その時に学んだことを紹介します。

里親制度について

里親制度について順を追って説明します。

家庭で暮らせない子どもたち

子どもにとって家庭とは、安全基地であり、安心の源です。

しかし、家庭で暮らせない子どもたちもいます。

家庭で暮らせない事情は次の2つが挙げられます。

  1. 家庭での養育が困難な場合
    保護者の死亡、家出(失踪)、離婚、傷病、稼働、服役(逮捕)など
  2. 家庭では子どもの権利が守れない場合
    虐待・放任など

このような理由により家庭で暮らせない児童の数は、全国で約4万5千人いて、約80%は施設で暮らしています。この数はここ20年ほとんど変わっていません。

家庭で暮らせない子どもたちは、様々な課題を負っています。

例えば、肉親との離別による喪失感、家で暮らせない、家族と会えないことによる満たされない思い、家族という後ろ盾がないことへの不安・孤立感、過酷な環境を生き抜いてきたことによって身に付けてきた様々な習慣などです。

これらの課題に向き合うためには、家庭と同様の養育環境が必要と考えられます。

その一つが里親です。

里親とは

里親とは、様々な事情で自分の家庭で暮らせなくなった子ども達を自らの家庭に迎え入れ、あたたかな愛情と正しい理解もって養育し、その成長をサポートする人です。

里親制度は児童福祉法の規定に基づき、児童相談所によって社会的養護が必要な児童の養育を委託する制度です。

一方、養子制度は民法による制度で、実子ではない子どもを家庭へ迎え入れて養育するものであり、養子縁組により法律上の親子となることを目的としています。

里親の種別には次の3つがあります。

  1. 養育里親
    様々事情により家庭で暮らせなくなった子どもたちを、保護者が育てられるようになるまで、又は子どもが社旗的に自立できるようになるまでの一定期間養育する里親です。
  2. 専門里親
    養育里親のうち、専門的援助が必要な子ども(虐待を受けた子どもや障害のある子ども、非行傾向のある子ども)を養育する里親です。
  3. 養子縁組里親
    養子縁組によって養親になることを希望する里親です。

里親に支給される手当等について

次の3つがあります。

  • 里親手当
    養育里親は月額9万円です。2人目以降も同額が支給されます。
    専門里親は月額14万1千円です。2人目以降も同額が支給されます。
    里親手当は、養子縁組里親、親族里親には支給はありません。
  • 一般生活費
    食費・被服費等のため、1人あたり月額で0歳児には約6万円、0歳児以外は約5万2千円支給されます。
  • その他
    その他にも、幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職支度費、大学進学等支度費、医療費等が支給されます。

里親の役割

施設ではなく里親の元で養育されることは、次のような効果が期待されています。

  • 特定の大人との愛着関係の下で養育され、安心感の中で自己肯定感を育み、基本的信頼感を獲得できる。
  • 適切な家庭生活を体験する中で、家庭のありようを学び、将来、家庭生活を築く上でのモデルにできる。
  • 家庭生活の中で人との適切な関係の取り方を学んだり、地域社会の中で社会性を養うとともに、豊かな生活経験を通じて生活技術を獲得できる。

里親は、委託解除後も関係をもち、いわば実家的な役割を持つことができます。

実親との面会交流について

実親のもとへの引き取りや子どもの健やかな成長にとって必要であれば、里親委託後も子どもと実親との面会交流を実施することがあります。

面会の頻度や方法(里親が立ち会う必要があるか等)については、委託時に児童相談所と相談します。

委託解除と措置延長について

次のような場合は児童相談所が里親委託の解除を決定します。

  • 子どもが家庭に引き取られる場合
  • 就職等で子どもが自立する場合
  • 子どもが18歳に到達した場合
  • 養子縁組が成立した場合
  • 様々な理由により里親家庭で養育ができなくなった場合

そして、次のような場合は18歳到達後も里親委託を20歳まで延長できます。

  • 就職、進学したが生活が不安定で継続的に里親家庭での養育が必要
  • 障害や疾病により就職や進学が決まらず継続的に里親家庭での養育が必要

里親家庭で養育されて大学や専門学校に進学した場合は、20歳到達後も申請すれば22歳まで生活費相当を支給される制度があります。

里親は子どもたちのための制度

私のパートナーは、児童養護施設で働いており、里親支援をする役割もしています。

パートナーは里親になりたいと話してくれています。

私自身は、子どもを育てるなんて考えたこともなかったし、育てる自信もないと思っていました。

でも、パートナーの熱い思いを聞いているうちに、子どもたちのために頑張ってみようかなと思い始めています。

里親になることは「親」にならないといけないわけじゃなくて、子どもにとって一番身近な「大人」として接していければ良いのかな、と思っています。

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