最近、「名作小説を読みたい!」と思うのですが、
何から読めば良いのかわからないし、読んだとしてもなぜ名作と言われるのかよくわからないことも多いので困っていました。
そんな時に本屋さんでこの本を見つけて、面白かったので紹介します。
『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』
内容<amazonより>
読んだほうがいいのは分かってる! わかってるけど読んでもよくわからない! だから読んだふりをしちゃうんだ!
夏目漱石、村上春樹、ドストエフスキー、三島由紀夫、カミュ……。
読んだふりしたくなる、だけど実はよくわからない小説の楽しく読む方法を、注目の若手書評家の著者が解説。
教養のために小説を読みたい。ちょっと面白そうな名作があるから読みたい。
映画の原作になった文学を読んでみよう……と思っても、「忙しい」とあとまわしにしがちな人や、もう読んだふりをしたくない人に、名作小説も古典小説も、ちょっと読み方を変えれば、面白くなる「読む技術」を著者が伝授します。
印象に残ったこと
この本を読んで印象に残ったことを3つ紹介します。
1.小説を通して自分の物語を読んでいる
小説を読むということは、書いてあることをただ理解していくということではなくて、
「物語に反射した自分を見つめたり、その物語のとくに気になる箇所を拡げたりすることによって、ちがう物語に変形させている」(p253)と言えます。
自分の人生があるからこそ、小説は面白いんだと思います。
小説にはうまくいかないことが多く描かれるし、だから自分がうまくいかないことを経験すれば、より小説を楽しめるようになります。
「だからこそ、小説は現実逃避なんかではなく、日常を戦うためのものでもあるし、日常と戦ってくれる存在」(p51)でもあります。
2.小説の面白さはあらすじだけではない
夏目漱石の『門』のラストでは、主人公が「門の前に立ち竦むしかなかった」と書かれています。
これは、「ただ夫婦にとって閉塞感だけがあった」と書かれているよりも伝わってくるものがあります。
つまり、小説はあらすじだけでなく、それまでの話の流れを踏まえての言葉だったり、その状況を比喩で表した描写だったり、敢えて描かれていない部分にも面白さがあります。
人間は何かを考える時に言葉を使います。
だからこそ、文章から自分が想像することによって味わい深さが出てきます。
3.わかりづらさを解読する快楽
この本の著者は、「ある種のちょっとしたわかりづらさを解読するところに、快楽を感じる」そうで、それはそうかもしれないな、と思います。
その一方で、私はわかりづらい部分を解読するのは苦手です。
でも、この本のような解説を読んで、その上で自分はどう読むかを考えるのは楽しいと気が付きました。
「名作小説」の楽しみ方がわかる本!
この本を読んで一番印象に残ったのは、名作小説は解説書も多いから、それを読めばより楽しめる!ということでした。
名作が名作と呼ばれるのには、文学史とか歴史とか作家の人生も関係してるし、専門家じゃないとわからない部分もあります。
あと、スルーしてしまって気づいてないけど重要な部分もあります。
解説書を読んじゃうとそういう風にしか読めなくなるんじゃないかと思って敬遠してたのですが、この本がそうではないということを教えてくれました。
これからもっと名作小説を楽しんでいきたいと思います!

コメント