【感想】4月文楽公演『国性爺合戦』『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』

趣味

先日、文楽を観てきました。国立文楽劇場の4月公演です。

独立行政法人日本芸術文化振興会
独立行政法人日本芸術文化振興会の公式サイトです。

私が観たのは第二部の『国性爺合戦』と第三部の『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』です。

まだまだ文楽のことはよくわかっていないので、表面的なことしかお伝えできないのですが、面白いと思ったことについて書きます。

4月文楽公演を観てわかった文楽の面白さ

文楽のここが面白いと思ったことを3つ書きます。

1.時間がゆっくり流れるのを楽しむ

『国性爺合戦』は中国人の父と日本人の母の間に生まれた主人公が、新勢力に支配されてしまった父の故郷を助けるために中国に乗り込んで戦う、みたいなお話です。

途中、将軍の所に嫁いだ腹違いの妹の所に行って、義理の弟である将軍に味方になってもらうよう頼みに行くのですが、妹に会った時のシーンがめちゃくちゃ長いんです。

妹は高い身分だし、将軍も偉い人なのでパパっと話を通すわけにはいかず、回りくどい感じになります。

話し合いがメインなので人形もあんまり動きません。

太夫さんの声が良い感じに心地よくて、眠くなって一瞬寝てしまいました。

眠くなりながら、「これ映画だったらもっと展開も早くて色んなこと起こるよなぁ…。時間かかりすぎじゃないかなぁ…。」なんて考えました。

だけど裏を返せば、あえてゆっくり流れる時間を楽しむという贅沢なのかもしれないなぁと思いました。

しかもこの公演は、このメンバーで、このコンディションで、この成長過程の技芸員さんでやるという、今しか体験できないことが楽しめます。

文楽は、そんな贅沢な楽しみなのかなぁと思います。

2.推しメンを観に行く

楽しみの1つに、推しメンの芸を観たい!というのがあります。

まだ見分けがつかない技芸員さんも多いのですが、今のところ私の推しメンは人形遣いの桐竹勘十郎さん、吉田玉男さん、三味線の鶴澤清治さんです。

桐竹勘十郎さんが遣う人形は、なんだか感情移入しやすい気がします。

文楽の話は「なんでそれで死のうと思うの!?」とか「なんでそれで息子・娘とか奥さん殺そうって話になるの!?」とか、納得できない部分が多いです。

でも、桐竹勘十郎さんが遣うと、何となく気持ちが分かる気がします。

吉田玉男さんが遣う人形は、どこか優しさが感じられます。

鶴澤清治さんの三味線は、めっちゃ安定感があります。何があっても太夫さんを乗せて進んでいくぞって感じです。

推し技芸員さんを観るのは、推しのアイドルとか声優さんとか俳優さんを応援する気持ちと同じだなぁと思います。

3.演出が面白い

今回面白かった演出は、まず『国性爺合戦』で虎と戦うところです。

虎が……着ぐるみなんです!!!!

着ぐるみを着て、四つん這いで出てくるんです!

人形の大きさに対して倍くらいあるので迫力があるんですが、サイズ的に違和感はないです。

そして、なんか可愛い。ずっと四つん這いで大変そう。

途中で太夫さんが語ってる舞台に入って行って、太夫さんが扇子でぺしぺし叩いて追い返してたのが可愛かった。

それから、『小鍛冶』で刀を造る演出も面白かったです。

刀鍛冶の主人公と神様である稲荷明神が、めっちゃ良い刀造ろう!って一緒に刀を造るお話です。

熱した鉄を二人で金槌を使ってカンカン叩くんですが、その時に火花が散るんです!

ほんとに刀造ってるー!!!って思いました。

あと、すごく衝撃的だったのは、『国性爺合戦』と『傾城阿波の鳴門』で登場人物が死んでしまった時に、

人形遣いさんが人形を置いてそのまま退場してしまうところです。

置いて行かれた人形はもう「人」ではなく「モノ」になってしまって、まじで死んじゃった感がすごいです。

これは生身の人間には絶対できないことだなと思いました。

こんな風に、色々演出が工夫されていてそこも面白いです!

もっと楽しめるようになりたい!

文楽の面白さの表面的な部分しかわかってないんだろうなぁとは思うのですが、それでも、私が感じた面白さを伝えられたら良いなと思って書きました。

ちょっと興味が湧いてきた!という人が増えたら良いなと思います。

私も、もっと楽しめるように、もっと文楽のことを勉強していきます!

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